2100年の地球はわたしたちの双肩にかかっています!

筑波大学 環境科学・環境学学位プログラムでは、1977年に日本最初の環境系専門大学院が筑波大学に設置されて以来、環境問題の解決のために研究・教育両面から人材育成を進めてきています。一方、近年、すさまじい勢いで地球や地域の「環境」が変化しています。そこで我々は、次の100年の地球や郷土のために、学位プログラムとして目標を明確に定め、これまでの蓄積されてきたノウハウを最大限生かし、人材育成を進めています。

大目標 (ミッション)
「2100年のみんなに、地球に生まれてよかったと思える郷土・環境を引き渡すための知恵・技術の創出と人材の育成」

大目標を実現するための具体的なアプローチ
我々は常に新たな環境問題に直面してきています。その問題は、個々の地域から、地球規模まで極めて多岐にわたります。
そこで、環境科学・環境学学位プログラムでは、社会が直面している、または将来直面する環境問題を自ら見つけ、未来を予測し、問題解決に情熱をもってあたれる人材の育成を目指しています。そこで、多様な価値観や社会状況を理解し、様々な背景や考えを持つ人たちにリスペクトを払い、協働できる人材の育成を行っています。
環境科学・環境学学位プログラムでは、目標実現に向けて、①学際的なコミュニケーション、②国際的なコミュニケーション、③社会とのコミュニケーションの3つのコミュニケーションの充実をはかっています。
まず、①としては、生命活動の細胞レベルから地球規模までの異なるスケールを対象としとした学問を学べるようにカリキュラムを用意しています。さらに、自然環境の基礎的な理解から、人為的な環境への影響評価・解決策にいたるまで「環境科学・環境学」を体系的に学べるカリキュラムとなっています。また、座学のみならず、グループワークやフィールドでの実践的な実習も充実させています。
②については、国際的なコミュニケーションスキルの向上に資するように英語で講義・討議するカリキュラムも用意しています。また、積極的にアジアやアフリカを中心に多くの国からの留学生を受け入れるとともに、国外機関との共同研究やインターンシップを通して国際的なコミュニケーションの充実をはかっています。
③については、企業や国の研究機関との共同研究を行うとともに、社会人の学生を積極的に受入れ、企業や国の研究機関におけるインターンシップ、外部機関の行政官、研究者、技術者による講義の実施など、多様な交流が可能な機会を創出しています。さらに、社会人の学生に対しては、最新の知見を継続的に学ぶとともに、分野の課題解決につながるような社会実装に直結した研究・技術開発ができる体制を用意しています。


学位プログラムの紹介


沿革

1977年, 日本各地で公害問題が深刻だった頃, 日本最初の環境系専門大学院が, 筑波大学に設置されました。それが, 私たちの前身である「環境科学研究科」です。それは博士前期課程(修士課程)のみの大学院でしたが, 2008年に発展的に改組され, 現在の形に生まれ変わりました。その結果, 博士前期課程(修士課程)が「環境科学専攻」となっただけでなく, それまで無かった博士後期課程が「持続環境学専攻」という名で新たに設置されました。2020年に学位プログラム制に移行,「環境科学専攻」が「環境科学学位プログラム」として「持続環境学専攻」が「環境学学位プログラム」としてスタートします。
私たちは, 前身創設以来の約40年間, ローカルとグローバルの両方の舞台で活躍できる実務専門家を育成するために, 挑戦的な取り組みを続けています。いくつか例をお示ししましょう:
2009年度に, 私たちは「環境ディプロマティックリーダー育成拠点(EDL)」を提案し, 科学技術振興機構の戦略的環境リーダー育成拠点形成事業に選ばれ, 2013年まで実施しました。学長直轄のステアリングコミティーのもと, 筑波学園都市とのローカルな連携の中で, 多くの留学生と日本人学生がともに学ぶ場を創り上げ, その成果は科学技術振興機構の総合評価S(最高評価)を獲得しました。
EDLは終了しましたが, そこで作り上げた仕組みは, SUSTEP(Sustainability Science, Technology and Policy)というプログラムとして, 我々の教育体制の中に組み込まれ, 発展を続けています。


特色1: 多様な教員

教員リストを見て下さい! 自然科学・工学・農学・社会科学・人文科学, そして医学まで, 極めて多様な分野の教員が揃っています。このような分野融合型のスタッフ構成は, 創設以来の我々の伝統です。この間口の広い多様な専門家集団が、有機的に協力しながら教育と研究を進めているのです。これらの教員の多くは, 環境科学学位プログラムと環境学学位プログラムの両方を担当しています。

特色2: 学際性

多様な教員が結集し, 「環境」に関わる幅広い知識を修得することが可能なカリキュラムを提供しています。環境科学学位プログラム(博士前期課程)では、必修科目である環境科学実習をはじめ、環境のメカニズムに関する講義と問題解決方策を探求する現場実習を有機的に結びつけて学ぶことができます。環境学学位プログラム(博士課程後期)では、研究室の垣根を超えて進行中の研究テーマを発表し研究アイデアを発展させる授業や、学外での合同研修授業を設けています。

特色3: 特別プログラム

学際というと, 散漫になりがちな危険もありますが, 我々は, 正規の授業カリキュラムと並行して, 複数の特別プログラムを実施しています。これによって, 学生は一貫したテーマのもとに学び, 実務的なスキルや経験を得ることが可能です。

特色4: 国際教育

グローバル化に対応した国際教育も充実しています。環境問題解決のための最新・最適の技術・政策を修得するため、数多くの留学生が学んでいます。留学生は、中国、韓国、モンゴル、ベトナム、インドネシア、バングラデシュ、エジプト、チュニジアなど多様な文化社会的背景を持ちます。授業では、日本の公害経験や最新技術の適用可能性や海外事例研究を多く盛り込み、グローバルな視点を養う教育が提供されています。多くの外国人教員がいて, 多くの講義が英語で実施されており、英語のみで体系的カリキュラムを修了することが可能です。そのコアは, SUSTEPという特別プログラムです。

特色5: 公開性

つくばを中心に地域社会における環境教育に貢献しています。また, 社会人の再教育を重視しており、多様な人材の育成に取り組んでいます。さらに、行政や国際機関などの専門家や研究者による講義や指導を通じて、現代的課題を教育研究の場に還元しています。


環境科学学位プログラム(博士前期課程)

修士課程(学部卒業者対象; 2年間)です。筑波大学卒業生に限らず, 理系・文系を問わず, 大学卒業者に広く門戸を開いています。環境の実務専門家を育成しています。

カリキュラム 環境諸問題に関する科学的知識、論理的思考、実践力を必修・必修選択科目で修得し、高度な専門知識と調査研究遂行能力を専門選択科目で修得します。

もっと詳しく → 履修モデル カリキュラム 特別プログラム

研究指導学生は専門分野に合った研究室に所属し、指導教員からゼミや現地調査、実験、解析などを通じて研究指導を受け、修士論文を作成します。国際学会発表や査読付き論文執筆なども積極的に支援しています。

もっと詳しく → 教員一覧

進路修了生は、公務員、環境関連企業、教員、NGO/NPOなど、様々な場面で活躍しています。また、環境学学位プログラム(博士後期課程)に進学する学生も一定数います。

もっと詳しく → 修了後の進路(準備中)

 


環境学学位プログラム(博士後期課程)

博士課程(修士課程修了者対象; 3年間)です。環境科学学位プログラム(専攻)修了者に限らず, 学内外の修士課程修了者に広く門戸を開いています。持続可能な社会形成のための科学、技術、政策に関する行動力あふれる研究者を育成しています。修士課程での研究をさらに深めたいという方や、これまでの経験を活かして新たな分野に挑戦したいという方も歓迎します。

カリキュラム環境に関する幅広い視野を修得し, 専門家の卵どうしが連携するためのカリキュラムを用意しています。必修選択科目「持続環境学フォーラム」では、多様な学生どうしがディスカッションをする場や学外研修に参加する機会を提供しています。

もっと詳しく → 履修モデル カリキュラム 特別プログラム

研究指導 博士論文研究を通じて, 高度な専門家として主体的に研究を計画・遂行・発表する能力を養います。シンポジウム開催や旅費支援など、研究実施のための様々な支援が用意されています。

もっと詳しく → 教員一覧

進路修了生は、研究者(大学・研究所)、公務員、環境関連企業など、様々な場面で活躍しています。

もっと詳しく → 修了後の進路(準備中)

 


研究概要

研究室ごとの研究概要(一部)を動画やスライドで紹介しています。

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Kamae Lab Matsui Lab Environmental Psychology and Decision Making watershed management lab
EnvSci-Summary_01 EnvSci-Summary_02 EnvSci-Summary_03
Aquatic Ecology Lab Nomura Laboratory: Biofilms and Cell-cell communication Bio-Resource Process Engineering Lab – Wastewater Treatment and Biomass Conservation Bio-Resource Process Engineering Lab – Movie
EnvSci-Summary_07 EnvSci-Summary_04
Laboratory of Conservation Ecology Environmental Remote Sensing Food Functionality Lab Food Functionality Lab -movie
EnvSci-Summary_10 Sugita
Paleoclimate Modeling Sugita Lab Sugita Lab -movie1 Sugita Lab -movie2
EnvSci-Summary_05 Higano EnvSci-Summary_11 EnvSci-Summary_09
Interdisciplinary Study on Environmental Transfer of
Radionuclides from the Fukushima Daiichi NPP Accident
Socio-Environmental System Laboratory Environmental Remote Sensing Terrestrial Ecosystem Ecology

上記スライドファイルのダウンロード(pdf)